無料アプリで作成する製図
こちらは、スマホやタブレットの操作解説です。
PCの操作説明は別のコーナーで解説しています。

基本のケープ&ポンチョ を解説します。

店頭に並ぶケープやポンチョを見ると、一見、一枚布に穴を開けただけ? ・・・ と とても簡単そうに見えますが、意外や製図が結構大事です。

一枚布に穴を開けて頭を通した場合、肩が定位置に落ち着かず、くるくる回ってしまいます。
簡単そうに見えるケープやポンチョでも、人の身体や動きを考慮した製図で作ったものは、着心地が良く、前後バランスも整い、人の目にも自然に写りますから、服に高級感が出ます。

アンバランスが売りの服はありますが、それとて、人の身体を考えて作るかどうかで、着心地は大きく変わります。
(アンバランスのデザインも、基本はパタピッ を使って引き、その後の展開で 個性的なアンバランスデザインを創作してください。)

洋裁の書物などでは、「囲み製図」で簡単に引いた製図も見かけますが、これも、やはり人の身体のバランスを考える上では、あまりお勧めしません。

そんなこんなを含めて、「簡単そうな服も、実は製図がとても大事」を、ケープやポンチョから学んでみましょう。

決して難しくありません。パタピッ が難しい部分を自動で引きますから、後はイメージを加えるだけです。 
どんなデザインに展開しても、基本が正しければ、着心地良く形の良い服ができ上がります。

特に大幅な体型補正が必要でなければ、アプリ用パタピッ でも引く事ができますので、製図操作の手軽さを是非アプリ用パタピッ でも味わってください。

体型補正が必要な方は、プロ パタピッ をお勧めします。


<着丈と袖丈の決め方>

ケープポンチョは、ロング丈があればショート丈もあります。
近頃はショート丈が流行です。

手が裾から出るタイプ(ショート丈)で、裾を水平の仕上がりにする場合の「着丈」「袖丈」の決め方を簡単に説明します。

春や秋は「七分袖」が多く見られます。七分袖位置に合わせて「着丈」が決まります。(右図)
冬場は、長袖丈が暖かいですね。長袖丈に合わせて
「着丈」が決まります。

着用者を採寸する際に、手をどの程度出したいかで袖丈が決まりますので、その水平線上で着丈を測ってください。

採寸の後は、下の製図解説に従って、パタピッ に数値を打ち込んで製図を作成してください。
自由な丈のケープやポンチョがバランス良く楽しめます。

<簡単な応用の例>




アプリ用パタピッ は、携帯端末のスマホ、タブレットのみで使用可能です。 複雑な操作はできませんが、機能の範囲で正確な製図が楽しめます。)


参考として、S〜3Lサイズの入力数値を表にしました。
慣れるまでは、入力表の数値に忠実に操作することを勧めますが、ソフトを理解するに従い、各々の採寸寸法を入力して操作しましょう。 着用者のバランスで着心地の良い服ができ上がります。

<七分袖丈デザインの参考入力表>

<長袖丈デザインの参考入力表>


「サイズ入力」を終え、各パーツを「グレーディング」(サイズ変換)すると、それぞれのパーツが下図の様にでき上がります。

今回は「袖」は使用しません。
その為、袖に関する項目は、全て「0」操作です。 

ここまでの操作に誤りが無ければ製図は正確ですから、この後印刷をします。
この時点で製図に修正を加えたいと判断される場合は、もう一度
「サイズ入力」画面に戻って、数値の入れ直しをします。何度でも修正ができます。

「プリント」にタップするとそれぞれの製図は一時保存されます。
その後 印刷、実物大に拡大し型紙を獲得してください。

肩線を延長した線を引きます。 ここでは七分袖丈を引きます。
その線を30度回転させます。
裾線をなだらかなカーブでつなげて仕上げます。
(先に引いた肩の延長線は消します。使用しません。)

長袖も同じ様に製図します。
応用例の左のポンチョは、ストライプ柄を利用して、斜めに縫合しています。
布目線を下図の様に45度傾斜させましょう。

応用例の右のポンチョ(白のレースニットで作りました)は、ネックの開きを大きくし、フレア分量も多めに製図しました。(袖の傾きを「20度」で作成しました。)
ネックの開きは、
「肩ネックP移動」「−5」、「前ネックP移動」「−5」、「後ネックP移動」「−1」

ニット生地は、袖の傾斜の部分が大変伸びますので、その伸びを考慮して数センチ短くしましょう。(この寸法はニット生地の伸びにより変わりますので、製作工程で一度着用して、補正があればそこで直すなどしましょう。)

手出し口を作りました。 前後身頃の下図の破線のあたりを縫合します。 手出し口の寸法や縫合距離は自由です。 着丈やフレアの具合で寸法は変わりますので、着用して決めましょう。

以上で製図はでき上がりです!