正しい体型補正についてお話します

パタピッ 操作 (2) ぷっくりおなか

パタピッ 操作(1)バストが大きい」 の解説と共通する部分があります。 そちらも合わせてご覧ください。

バストに関しては、デザインの選択では、バストを強調したい人と、敢えて隠したい人と、2通りのタイプに分かれます。
でも、おなかの場合は、多くの人は「隠したい」「目立たない服がいい」でしょう。

おなか周りにゆとりがない服は、引っ張られますので、おなか周りに引っ張られた横じわを作ってしまったり、おなかの丸みがそのまま形となって服に現れます。 適度なゆとりが必要です。

又、前丈が足りなくて、前上がり現象も生じます。

違和感を感じられる所には、つい人の目が行きますので、その視線をそらす工夫が必要ですね。
違和感を感じない部分には目は行きません。

補正は、パタピッ 操作(1)」 の解説と同じ、大切なことは、「人の目に自然に映る」ことです。

ついしてしまう誤りに、前が上がる補正を裾を下げて水平にすることがあります。 これは正しい補正ではありません。 ストライプ柄やチェックの生地を使った場合に柄の流れが乱れ、前上がりを強調してしまいます。(右図参照)

パタピッ は、バストについては、バスト入力の数値が増えれば増えるほど、前丈が長くなり、前身幅を広くして、全体を調整する働きがありますが、バストは普通サイズでおなかが出ている体型の場合は、前丈と後丈の差は、製図の動きとしては不足しますので、その不足分を「前後丈調節」で補正する必要があります。 

パタピッ 操作(1)バストが大きい」 の解説でもお話しましたが、サンプル服を一着作ると良いですね。 そのサンプル服を着て、前丈の不足分量を「前後丈調節」に入力するのです。

この寸法は、同一人物の場合、大きな体型変化がなければ常にほぼ一定ですから、他のデザインのパタピッ 操作でも役に立ちます。規定外のデザインの場合は操作が変わることがあります。


おなか周りのゆとりについては「ヒップ」入力で自分の寸法を入力しますので、適度なゆとりが加わり、突っ張りじわを作ることはありません。
ただ、おなかの大きな人は、ヒップ周りよりおなか周りの方が、メジャーで測ると大きい、、、ということがあります。(左図参照)
おなかの下(ヒップの辺り)が凹んでいるからです。 その場合は、ミドルヒップの辺り(つまり、最も膨らんでいるおなか周りの部分)の採寸寸法を
「ヒップ」に入力すると良いでしょう。

先にも書きました様に、おなかについては、多くの人は「隠したい」「目立たない服がいい」と感じています。
ウエストを絞らず、ルーズフィットな服が良いでしょう。
 「ウエストしぼり調節」では、2〜4の数値を入力すると、ウエストダーツは消え、ストレートラインになります。(下製図参照)

パタピッ 入門ハイグレードセットにも、「補正機能」デザインを様々に変更する機能が付いていますので、まず入門からスタートしてください。 パタピッ 入門ハイグレードセットはトップスの入門編です。


さて、ヒップに付いては、バストが普通サイズという体型の人の場合、パタピッ を操作し、実行ボタンを押した後の前後の身幅の寸法差はあまりありません。 その為、前側のおなかのゆとりが足りず、背中側のヒップのゆとりが余って、おなか辺りが突っ張った様な服になる場合があります。 前図(体型図)を見ていただくと分かるかと思いますが、身体を脇から前身頃、後身頃と分けた場合、後身頃の幅(D)より、前身頃の幅(C)の方が広く必要であることが分かります。

「ヒップゆとり」に多目の数値、例えば、20とか30の様に充分なゆとりを入れれば突っ張る現象は起きませんので、生地が柔らかく、すとんと落ちて裾が膨らまない場合は「ヒップゆとり」で調整ができるでしょう。

硬さのある生地の場合は、ゆとりが不用意に多いと、裾が広がり形の良い服になりませんので、前後の身幅の補正が必要です。

前の裾を脇で広げ、後を狭めます。(右図参照 CAD画面)
この操作は、CADがあれば、PCの画面でCADの機能を使って補正ができますが、CADがない場合は、印刷後に手書きで行ってください。

この分量は体型により異なりますので、仮縫いを通して決定しましょう。

この移動寸法は、着丈やデザインにより変わることがありますので、作品を作るたびに仮縫いをして調整しましょう。 
その補正を予測して、布の裁断の際には、脇の縫い代を多めに付けておくと安心です。


様々なデザインを楽しんでいただく為には、やはり常にパタピッ スタイルMagazine が参考になります。 そこで、体型補正が必要な人は、「補正機能」を使って調整してください。

操作に慣れるに従い、独自のデザインの創造も可能になります。

ショーウインドーや雑誌で見つけた素敵な服を、「製図が引けない」「引いても形が悪い」と諦めていた人も、どうぞパタピッ を操作して、正しい製図を覚え、是非おしゃれを楽しんでください。


< 具体的なデザインの紹介 >

パタピッ の基本操作で様々なデザインの製図作成が可能ですが、おなかのふくらみをカバーする方法として、前身頃に、タックやギャザーを施すことがしばしば行われます。 下はその一例です。

パタピッ スタイルMagazineを順次更新して掲載していきます。 参考にご利用ください。