下は操作方法を解説したパタピッ スタイル magazineです。

参考にご覧ください。


パタピッ マジックA 現物の服を製図に変換

服を測って製図に変換 子供ハーフパンツを例に

手元にサイズがちょうど良い子供服がある時、着替えが必要な子に生地を変えて何着も作りたいことがあるでしょう。

或いは、去年の服が今年は着れない。。。 「サイズを大きく作りたいな」ということがあるでしょう。

自動製図ソフトパタピッ を使って、現物の服を製図に変換する方法を紹介します。 サイズ変更も可能です。
パンツを例に基本操作を解説します。

今回は初心者向けのボトム専用入門ソフトを使用します。素人に使い易いソフトですが、プロ向けと同じ動きをしますので、初心者の方でも正しい製図が得られ、形良く仕上がります。

これを参考に、他のパタピッ パンツソフトでも同様に行ってみましょう。

※ パタピッ はベビーサイズから大柄の大人まで、全てのサイズに対応するソフトです。 今回の解説は子供サイズのパンツですが、同じ方法で大人サイズのパンツも操作してください。


一例です。 下左が手持ちのハーフパンツです。 サイズは100. このまま製図を引く方法と、ワンサイズ(110)大きく製図する方法を解説します。

右は、ちょっとアレンジして、同じサイズでハーフワイドパンツを作ってみた写真です。 女児用として工夫し、ウエストのゴムの部分の上をフリル風に表現してみました。

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パタピッ は数値を打ち込むだけで製図ができ上がるソフトです。 服を計測し、入力項目に数値を入力して実行ボタンを押すと、基本パーツが自動ででき上がります。 パンツの場合は前後パンツとベルト製図が基本パーツです。それらが自動ででき上がります。

従来の手書き手法で難しいカーブや全体のバランス調整、体型補正などの大切な作業が、素人の操作でも正確に自動で完了します。 数値入力後は数秒でPCが処理し画面に完成製図が現れます。 寸法を操作するだけでプロ並みの製図が一瞬で得られます。

パタピッ は更に微調整も自動で行うことができますが、今回は子供パンツです。基本操作で完了するでしょう。
個性的なパンツを創作する場合は、いろいろな機能を利用して独自に操作してみましょう。

従来の手書き手法で時間をかけていた作業が、パタピッ の操作に慣れれば数分、修正などの操作を加えても10分ほどで完了するでしょう。

 製図の手法は一つではありません。手持ちのパンツはそのパンツの製作者の製図手法で作成されています。パタピッ の製図手法も数ある中の一手法です。 パタピッ は従来の手書き手法を越えて、PCの機能を使って自動で処理する様プログラムされています。

製図は引き手それぞれに特徴があり、パタピッ にも特徴がありますが、その特徴の一つとして、服の仕上がり寸法(下記の計測を参照)を合わせ、且つ履き心地の良い製図を作成する点がこのソフトの特徴です。 

手持ちのパンツが作られた工程の製図とパタピッ の製図は同じではありませんが、形、着心地を重視してプログラムしましたので、その意味では初心者に使い易い入門ソフトでも仕上がりにご満足いただけるものと思われます。


最初にすることは・・・

<服を計測します>

以下の7部分の計測をしましょう。 基本的にはこの7箇所で製図作成が可能です。
基本が理解できたら、更に細かな部分も計測し
パタピッ を繊細に操作してみてください。(操作の詳細は、ご購入時のマニュアルが詳しく解説しています。素人に分かりやすく、プロの技術に匹敵する製図技法まで解説しています。)

 今回の例は、伸縮性のない生地で作成されたパンツを測っています。でき上がった型紙を使って製作する場合も同じ様に伸縮性のない生地で製作しましょう。
パタピッ は、伸びる生地の製図にも正確に対応します。 ここで解説する方法で、ストレッチ素材やニット地で作られたパンツも同様に計測し操作し、同じ伸び率の素材で製作すると同じ様に仕上がります。伸縮率が異なると着用の際、窮屈に感じることがありますので注意しましょう。

@ 前パンツ丈を測る
ベルト部分を除いた前パンツ丈を測ります。
このデザインはウエストがゴム仕立てのパンツです。ゴムベルト部分を除いた丈を測ります。

A 後パンツ丈を測る
ベルト部分を除いた後パンツ丈を測ります。

   

B ヒップの仕上がり寸法を測る
ヒップ辺りを測ります。

C 裾幅を測る

   

D 渡り寸法を測る
股上と股下の境目の腿の最も太い部分を横水平に測ります。

E 股上を測る
ベルト部分を除いた縦垂直の寸法を測ります。

 

F 股下を測る
パンツ丈から股上を除いた丈です。 製図では下図の部分です。

このパンツは子供100サイズです。 計測寸法は次の様でした。

@ 前パンツ丈 36cm A 後パンツ丈 38cm B ヒップの仕上がり寸法 32cm(一周は64cm) C 裾幅 15.5cm D 渡り寸法 20cm(一周40cm) E 股上 17cm F 股下 19cm


この7寸法をパタピッ の自動機能で操作します。
今回は初歩的な操作解説です。 実際のパンツでは、脇の縫合線や股下の縫合線が少し前寄りだったり後寄りだったりと前後の製図の幅の寸法の偏りがある場合があります。

幅については前後を分けずに合計寸法(一周寸法)で操作しましょう。 この初期操作で現物のパンツとほぼ同じ仕上がりのパンツができ上がります。 前後の寸法差はここでは一旦無視してシンプルに操作してみましょう。 一周が同じであれば、特殊なデザインでない限り 見た目や履き心地は同じに仕上がります。

特に子供用のパンツの場合は前後の寸法差は特にこだわらなくて良いでしょう。気持ちよく着用していただけると思います。

パタピッ の良い点は服のバランスを自動調整することです。 上の7計測に合わせて従来の手書き手法でパンツ製図を作成しようとすると、バランスが取れずとても苦労することでしょう。 製図に慣れた方でも時間がかかります。 この後 数値入力の解説をしますが、パタピッ に数値を入力し実行ボタンを押すと数秒で製図はでき上がります。 前後のバランス、適度なカーブラインや傾斜などは自動で処理します。 素人の方もプロ並みの製図が得られます。




印は「プロ パタピッ セットに含まれるソフトです。 
このゴムウエストのパタピッ は、入門ソフトにも収納されています。)

今回はウエストゴムのパンツを例に解説しますが、ウエストがベルト仕上がり(ウエストにダーツ有)のパンツでも基本的な方法は同じです。 ウエストダーツのパタピッ を使用する場合も参考にしてください。

2つの入力例を紹介します。 一つは現物のままの製図操作(@)、100サイズです。二つ目は、そこからちょっとアレンジしてデザインを変える操作(A)、こちらも100サイズです。

文頭の右写真がアレンジ操作した製図で作ったパンツです。ワイドハーフパンツ。丈を少し(3p)長くし、キュロットに近いデザインに変えました。ウエストの部分は、ゴムの上をフリル風にアレンジして女児用に適用しようと思います。

Aにアレンジする時に変更した数値は青色で示しました。

 表のマークの上は基本操作、下は微調整や補正操作です。 マニュアルでは初心者にも分かり易く説明していますが、難しい場合はマークの上のみ操作しましょう。 下は何も入れず初期設定のまま実行ボタンを押しても製図は正しくでき上がりますので、理解するまでは無理をせず、マークの上のみの操作で製図を作成しましょう。

 パタピッ が手元に無い場合は、上表の入力項目の意味が分かり辛いでしょう。項目の意味は、購入時の操作解説で詳しく説明いたします。


パタピッ を操作します>

現物のまま製作する場合は、上表の「現物@」の数値をパタピッ に入力します。

入力後「実行」ボタンを押し数秒待つと下の製図が画面に表示されます。

現物にはポケットやベルト通しが付いていますが、不要であればこのまま印刷して型紙にしましょう。 形が同じパンツができ上がります。

ポケットやベルト通しが必要な場合、又は独自にアレンジしたい場合は、この基本パーツに線を加えていきます。 CADを持つ場合はCAD画面で作成します。
CADがない場合は、この製図をプリンタで印刷した後、鉛筆などを使って手書きで加えていきます。(入門ソフトにはCADは付いていません)

この現物のパンツのポケット、ベルト通しは下図です。独自に作成しても良いでしょう。


ワンサイズ大きく操作したい

次に、この現物のパンツが小さくて着用できない。 もうワンサイズ大きくしたい場合の入力例を解説します。

今回の現物のサイズは100。 それを110サイズに操作する場合の入力表です。
他のサイズも同じように操作することができます。 子供服のサイズ表を参考に操作しましょう。

サイズ表はしてご覧ください。


入力後「実行」ボタンを押し数秒待つと下の製図が画面に表示されます。

ゴムを通す線を入れます。(下図)
ポケットやベルト通しが必要な場合は、先の製図例を参考にしてください。

以上で製図はでき上がりです!

基本的な操作例を紹介しました。 
パタピッ は、入力操作の時点では まずバランスを整えた基本パーツが自動で正確にでき上がります。 基本が最も大事です。 形が良い服、着心地が良い服は基本の部分をしっかりとした製図製作がまず第一工程です。 

基本に飽き足らず、独自のデザインを創作したい方もいらっしゃるでしょう。 個性はその基本に線を加えていくことで表現できます。 切り替えて色を変える、ギャザーを加える、装飾パーツを乗せる。。。などなど。

基本が不正で形、着心地が悪い服の製図を引いてしまったら、その先 どんなに素敵で独創的な表現をしたとしても、仕上がった服は着辛い服になってしまいます。

製図はとても繊細、そして大事。 その初動の基本パーツをどうぞパタピッ に任せてみてください。

パタピッ の動きを今後理解した上で、自由な発想で数値操作し 個性溢れるオリジナルを創作していただければと思います。

 今回はシンプルな製図例を紹介しました。現物から製図を作成する場合は、製図の理解が深まるまではシンプルでノーマルなデザインから始めてください。現物の服にはイレギュラーな形や複雑なものがあります。そこから製図製作をスタートすると混乱を招きますので、最初は簡単と思われるもので学習してください。 製図の理解が深まれば技術は上がっていきます。