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手元にお気に入りの服がある時、「こんな服が作れたらいいな」と思うことが
袖無しで平面的なデザインですから、製図は服をそのまま紙に写してしまおう、、と試みた方もいらっしゃるでしょう。 このデザインは、既製服でよく見かける「前が短く 後が長い」デザインです。 その引き方も解説します。
※ 既製服などで異なるサイズに展開する場合 量産システムでは切開方式(拡大縮小方式)でグレーディングします。 サイズが大きくなると全体が大きくなるという点で生じる不具合を感じることがあります。 右写真以外の異なるフレンチスリーブも含めて製図方法、大事なポイントをお話します。
製図の善し悪しは服を着て判断できることです。 正しい製図でソーイングを楽しんでいただきたいと思います。
見本の服がある場合、まずその仕上がり寸法を計測します。 <見本の服を計測します>
まず、サンプル服のままの製図を説明します。 これがパタピッ の基本製図ですが、他のサイズでも、特殊サイズでも、パタピッ は体型を認識して自動でここまでの製図を正確に仕上げます。 この基本製図がとても大事です。 ![]() ![]() この後 展開作業(フレンチスリーブと裾の線を入れる)をしてでき上がります。(下図参照) この展開作業は、印刷した製図に服を乗せて、カーブなどを写し書きしても良いでしょう。 パタピッ で前後身頃のバランスは既に整っていますから、それ以外の部分を写すことは問題ないと思います。 ここではCADを使って製図の解説をしますが、CADを持たないユーザーは、基本製図を印刷した後 同じ方法で追加線を鉛筆書きしてください。 ![]() 肩先を延長します。 この見本のフレンチスリーブの長さは7cmです。 前も後も同寸延長します。
AHのラインを描きますが、服を計測した「前後中心からAHまでの横の長さ」(青で示した部分)を目安に引きましょう。 前後の丈が異なるデザインです。 「後丈」は「着丈」で決定しますので、前を決めなければいけません。 見本を計測した「前丈」を目安に前中心の裾位置を決めて、前後の裾のカーブを描きましょう。 余分な線を消して仕上げると 下の製図になります。 ![]() <ネックリブ> このデザインはネックに2cm幅のリブニットが付いています。 リブは長方形です。 リブは伸縮率や柔らかさが異なりますので、生地に合わせてネックラインに縫合して仕上げます。 ![]() バストサイズが大きくなるとパタピッ は体型認識をします。 女性の服では前身幅が広くなり前丈が長くなります。 下図は入力表の3Lサイズの数値を入力してでき上がった製図です。 右図は人間の身体の前後の寸法差を表した図です。 この差を認識して製図を作成することが大切になってきます。 着心地に影響する部分です。
![]() ※ 入力表では、2Lと3Lサイズはバストダーツを敢えて有効にしました。 既製服と異なるグレーディング(サイズ変換)方法です。 パタピッ はこれができます。 胸が大きくなる場合、ダーツを入れることで服が立体になります。 大きなサイズでは平面製図のままですと脇にたるみじわを作ることがあります。 それをダーツで処理することで立体になり しわが消え 自然に身体に収まります。 特に大きなサイズでは、体型認識無く製図を引き服を作ると、前幅が足りずに胸が窮屈で着心地が悪くなったり、前丈が足りずに前上がりになったり、、、
前後の違いを認識して製図を引いた服は柄が水平になります。(右服) 既製服の中にもこの傾向が見られる服に時々出会います。 着用した時に形や着心地に違和感を感じることで気付きます。 既製の服がどれも決して理想の製図ででき上がっているとは限りません。 現物の服を元に製図を引く際、「デザインは気に入っているけど何か着心地が悪いな」と思われたら、パタピッ を操作してでき上がった製図のまま一度試作してみてください。 着心地が良くなる場合があります。 フレンチスリーブの袖丈によるアームホールの描き方の違い ![]() 袖丈が長くなると、、、前説のアームホールの形状ではなく、上左の様に脇線と自然に繋がる形状になります。 更に長くすると、、、脇線にも繋がりません。 フレンチスリーブで難しい点は、「袖口」です。 ここは経験豊富な方でも結構毎回悩みます。 フレンチスリーブ全般を解説しました。 今後の製図作成にお役立てください。 |